Swan Styleのスキルアップコラム

お知らせ

バーチャルコンシェルジュ白鳥(シラトリ)さんの独り言5 ~ポーターのホスピタリティ~ 

こんにちは。
レジデンスで働く
バーチャルフロントコンシェルジュ白鳥(シラトリ)です。

 

 

 

 

 

 

 

 

最近の高級レジデンスには
ドアマンやポーターが常駐しています。

 

 

 

 

 

 

 

お客さまにとっては
入口で気持ちよく出迎えてくれたり
また荷物をお部屋まで運んだりと
とても頼りになる存在!

今回は、彼らならではの
さりげないホスピタリティを紹介したいと思います。

 

 

<面白い運び方・・・?>

 

あるポーターさんが空の台車を運んでいた時のこと
それを見ていたゲストの方が
「ねぇ、面白い運び方している!」
と声を上げていました。

 

見てみると
4つある車輪のうち、3つを浮かせて
つまり、1輪だけでバランスをとりながら
台車を運んでいます。

 

はい。
たしかに面白い恰好ですね(笑)。

 

 

<その真意は・・・?>

 

さて、皆さまは
ポーターがなぜこのような運び方をしていたのか
お分かりになるでしょうか。

それは「お客さまへの心配り」なんです。

 

その場所は、床がタイル状になっていて
台車を普通に運ぶと
ガラガラという音が響きやすいのです。

 

フロントにはタクシーを待っている居住者さまや
ご友人と待ち合わせのゲストがいらっしゃいました。

 

そのポーターさんは

「台車の音が少しでも小さくなるように」
「フロントにいるお客さまにとってうるさくないように」
「お話の邪魔にならないように」

運び方を工夫していたのですね。

 

 

<大切なことは創意工夫すること>

 

もちろん
床が絨毯敷であれば、そんな必要はありませんし
荷物を載せれば、どうしたって
ガラガラという音は出てしまいます。

 

だから
「そんなアクロバットみたいなことをしなくても
いいんじゃない?」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

でも私は、ポーターさんが持っている

「心地よい空間のために試行錯誤する心」

が素晴らしいな、と思いました。

 

ホスピタリティって

・何をした
・どうやった
という方法論ではなく

実は、そこに至るまでの
・相手の立場に立って想像すること
・創意工夫すること

の中にあるんですよね。

 

そのポーターさんは
「ただ荷物を運んでいればいい」
で終わらず
どうしたらお客さまにとって心地よい空間になるか?
にいつもアンテナを立てているんだろうな。

 

<まとめ>

今回はポーターさんの
ホスピタリティをご紹介しましたが
このような心遣いも
表現としてはあまりにもさりげないので
お客さまの目には留まらないことがほとんどです。

それでも日々、フロント周辺に目を配り
お客さまの快適なご出発とご帰宅をサポートする
ドアマンやポーターさんには
いつも感謝しています。

フロントとドアマン、ポーターは一つのチーム!
これからも力を合わせて
居住者様の日常をサポートしていきます。

 

「いまどき」新入社員の力を引き出す接し方とは

コラム担当の齋藤です。

 

いわゆる「いまどき」の新入社員と接するとき、
どんなことを心がければ良いのでしょうか?

いまどき新入社員5つの特徴や、
オンラインでの接し方など、詳しくご紹介します。

 

1.いまどき社員5つの特徴とは

最近の新入社員は

  • 過度な受験戦争の反動による
    「1番」より「個性」を重視する学校教育
  • 個性を大切にする対等な親子関係
  • SNSツールの発達によるいじめの陰湿化
  • バブル崩壊後に生まれた為
    「努力すれば必ず良くなる」という実感が乏しい
  • 大震災など、生存欲求を揺さぶられる
    経験をしている

などの社会的背景から

 

  1. 自分なりの基準があり、そこそこで満足する
  2. 素直で従順な反面、
    言われた以上のことはやりたがらない
  3. 検索することが得意で、常に「正解」を求める
  4. マイナス評価されることを恐れるため、
    ネガティブなことをあまり表現せず、
    考えていることがわかりにくい
  5. 人の役に立ちたい、成長したい、という
    気持ちが強い

という傾向があります。

 

「いまどきの新入社員は・・・」と嘆く前に、
このような時代背景や一人一人の性質を理解し、
いかに社内で力を発揮できるように育てるか?
考えて接することが大切です。

 

2.いまどき社員との関わり方・2つのポイント

①具体的でこまかな目標設定、共有
いまどきの新入社員は、誰かの役に立ちたい、
言われたことは素直にやる、という傾向があるため、

  • この仕事が誰の役に立っているのか?
    顧客や提供している価値を具体的に言語化し、共有する
  • いつまでにここまでできるようになってほしい、という
    長期、中期、短期目標をこまめに確認する

 

この2つを意識することで
行動が促進されやすくなります。

 

正解を検索するのは得意なので、
目標が具体的であればあるほど、
自ら答えを求めて行動できるようになるでしょう。

 

②定期的に対話をする
言われたことは忠実にやろうとする
いまどき新入社員ですが、
当然ながらいきなり完璧にできるわけではありません。

しかし、失敗やマイナス評価されることを
恐れる傾向もあるため、
なかなか自分から相談できず、1人で悶々と悩み、
問題が表面化するまでに時間がかかってしまう
ということも。

特に入社してからずっと
在宅ワークをしている新入社員は、
同期などの横のネットワークが希薄だったり、
雑談などガス抜きできる場が激減している為、
不安をため込みやすくなっています。

 

「何かあったら相談してね」と
不定期でミーティングを行うのではなく、
毎週曜日と時間を決めて、特に用事がなくても
対話をする時間を作ることが大切です。

この時、単なる要件の伝達にならないよう、
予め伝達事項はスラックなどで共有しておき、
あくまでも対話のための時間になるように意識しましょう。

オンラインの場合はビデオをオンにし、
困っていることや悩んでいることを
気軽に相談できる雰囲気になっているか?
常に意識することも大切です。

 

オンラインでもオフラインでも、
相手をよく理解し、その理解度を確認しながら
対話を続けていくことは不可欠です。

新しいツールなども取り入れながら、
工夫を重ねていきましょう。

バーチャルフロントコンシェルジュ白鳥(シラトリ)さんの独り言3~ホテルとレジデンスとの違い~

みなさま、こんにちは。
レジデンスで働く
バーチャルフロントコンシェルジュ白鳥(シラトリ)です。

 

 

 

 

 

 

 

 

「レジデンスのフロントコンシェルジュをしています」
というと
「それはホテルのコンシェルジュみたいな仕事?」
と尋ねられることが多いのです。

たしかに、制服でカウンターに立っていますし
(ホテルの方がスタイリッシュで羨ましい、笑)

目の前にいるお客さまのリクエストを聴いて
それを叶えるために全力を尽くすと
という点では同じですね。

 

<レジデンスとホテルの違いって?>

では何か違うのでしょう?
3つのキーワードで整理してみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1,求められること

ホテルは、まさに非日常空間!
感動とワクワクに満ちた空間を求めて
お客さまはホテルを訪れます。

レジデンスは日常の場所。
安全安心でホッとリラックスできることが第一です。
だから、そこで働く私たちは
あくまでも自然で目立たない存在であり
日々のちょっとした事をサポート(支援しています。

 

2,応対

レジデンスには「管理規約=ルール」があり
お客さまのリクエストに「No」と
言わなければならないことがあります。

これは個人的に苦しい時があります。
「やって差し上げたいなぁ」と
心の中では思いますが
お住まいの方全員の安全を守り
公平なサービスを提供するためには
どうしても必要なことなのです。

その点、ホテルは
できる限りリクエストにこたえよう
そしてご期待以上のものを提供しよう
そんな心意気が感じられますよね。

 

3,関わり方

一番の違いは、こちらではないでしょうか。
ホテルは「一期一会」
次にお会いすることはないかもしれないからこそ
お客さま、スタッフともに
かけがえのない時間を大切にされています。

レジデンスは「長期的な信頼関係」で成り立ちます。
サービスアパートメントと呼ばれる短期賃貸なら1ヶ月
通常賃貸であれば2~3年
分譲や地権者ともなれば
お客さまにとって終の棲家となり
一生のお付き合いになるのです。

これはトラブルがあっても
「この数時間/この1日/この数日」が過ぎたら
お別れする関係ではないということです。

スタッフの不手際でクレームをいただき
顔を合わせるのが気まずい時でも
そこから逃げるわけにはいきません。
もちろん、それはお住まいの方にとっても同じですね。
良いことも悪いことも全て
長い年月を共有する濃密な関係性と言えるでしょう。

 

 

※まさに赤ちゃんからお年寄りまで

 

 

 

 

 

 

<まとめ>

ホテルと比較すると、はっきり言って
この仕事は「地味」(笑)です。

でもね、この仕事をしていると
居住者様の様々な人生の場面に
立ち会うことができるんですよ。

お引越しされてきた方であれば
新しい生活のスタートに立ち会います。

ご夫婦に赤ちゃんが誕生したら
その成長をカウンター越しに見守ります。
入学式の日は、勝手に親戚のような気持ちです。

時には事故やご病気、事件にも出会います。
ご転居やご逝去といった切ないお別れもあります。

まさに人生に寄り添う仕事。

だから私はこの仕事、大好きなんですよね。

あなたは大丈夫?ビジネスシーンで間違えやすい言い回しや表現6選

コラム担当の齋藤です。

普段の会話やメールなどで時々見かける
言い間違いや違和感のある表現。
近しい関係だったら正しい表現を伝えられるものの、
そうでない場合、どうしたらいいのか、
モヤモヤしてしまうこと、ありませんか?

 

もしかするとあなた自身も知らないうちに
間違った表現を使って
相手をモヤモヤさせてしまっているかも・・・。

 

そこで今回は、ビジネスシーンで気をつけるべき、
間違えやすい言い回しについて確認してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①足元をすくわれる
隙をつかれて失敗させられることを
意味する「足をすくわれる」。
「足元を見る」(相手の弱みにつけ込む)と
混同して覚えている人が多いようです。
正しくは「足をすくわれる」です。

 

②うる覚え
2018年の「ことばの総泉挙」で
4分の1の人が間違えたこの表現。
記憶が定かでない時によく使われる表現ですが、
正しくは「うろ覚え」です。

 

③〜させて頂く
ビジネスでよく使う表現でありながら、
違和感を持つ人も多い「〜させて頂く」という言葉。

「スケジュールを変更させていただきます」のように、
「相手の許可」が必要な場合や、
自分が恩恵を受ける場合は正しい使い方なのですが、
「拝見させて頂きます」「お渡しさせて頂きます」など、
謙譲語が重なる二重敬語となると、
「くどい」「違和感がある」と感じる方が多いので
避けた方が良いでしょう。

「拝見致します」「お渡し致します」で
十分に丁寧な表現となります。

同じように「おっしゃられる」「おいでになられる」なども
二重敬語なので、それぞれ
「おっしゃる」「おいでになる」が適切です。

 

④二重表現
「頭痛が痛い」のように、
同じ意味の言葉を重ねてしまう二重表現も
言い間違いとしてよく見かけます。

・あとで後悔する→後悔する
・返事を返す→返事をする
・必ず必要→必要
・犯罪を犯す→罪を犯す
・一番最初→最初
・今の現状→現状
・期待して待つ→期待する 等々

文字にすると気づきやすいのですが、
会話では間違えて使いやすいので注意しましょう。

 

⑤とんでもございません
思いがけない、意外な、全くそうでない、を
意味する「とんでもない」は、
「とんでもない」までで一つの言葉なので、
「ない」だけを「ありません」「ございません」と
敬語表現するのは間違いだと言われています。

しかし、2007年の文化審議会では
「とんでもございません(とんでもありません)を
使うことは問題がない」という指針が出されました。

とはいえ、間違いだと認識している方も
まだまだ多いので、
「とんでもないことです」「恐れ入ります」
の方が無難な表現でしょう。

 

⑥なるほどですね。
そもそも「なるほど」自体が、
相手の話に評価を下すような
印象を与えるということで、
目上の人に対して使うと失礼だと
取られてしまうこともある言葉。

それに「ですね」という丁寧語がつくことで
違和感を抱く人も多いようです。

間違った表現ではありませんが、
ビジネスシーンや目上の人に多用するのは避け
「勉強になります」「おっしゃる通りです」などの
表現を使った方がいいでしょう。

 

いかがでしたでしょうかか。
自分では正しいと思って使っている
言葉や言い回しも、
実は間違った使い方であった、
ということはよくあることかもしれません。

迷った時にはちょっと調べてみる、
確認してみることが大切ですね。

フロントコンシェルジュ白鳥(シラトリ)の独り言~挨拶②

みなさま、こんにちは。

レジデンスで働く
バーチャルフロントコンシェルジュ白鳥(シラトリ)です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前回の続きです。

 

「挨拶には相手の名前を添えるといいよ」

と聞いたことがある方は
多いのではないでしょうかね。

「山田様、いらっしゃいませ」

↑ こんな風に、ですね。

 

<相手の名前を呼ぶということ>

こちらは様々な著書で
ポジティブな効果が謳われています。

例えば、世界中で読まれている
デール・カーネギー「人を動かす」
信頼関係を築く最も基本的で大事なことは
『相手の名前を呼ぶこと』といっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、’人たらし’と呼ばれた
元総理大臣、田中角栄氏は
たくさんの人の名前を覚えていて
「●●くん!」と気さくに呼んでいた
というエピソードは、有名ですね。

そしてホスピタリティで名高い
ホテルアマンレストランカシータ
お客さまが名乗るまえに
「いらっしゃいませ、●●さま。お待ちしておりました」
と声をかけるマジックで知られています。

わたくしも、そのマジックを経験しました。

カシータにいたっては
ビルに入る手前の青山通りを歩いている時に
「シラトリ様でいらっしゃいますね?」
とキャッチのように声をかけられ
感動を通り越して
狐につままれたような気分でした。

なぜ私が予約した白鳥(シラトリ)だと
わかったのでしょうね?
それは未だに謎です。

<レジデンスではどうなの?>

では、居住者対象のレジデンスではどうなのか?
すこし状況が異なります。

まず、名前を呼ばれることを好まないお客さまがいます。

プライベートを守りたい社会的地位が高い方や
著名人、芸能人の方などは
特にその傾向が強いです。

そして、名前と部屋番号は重大な個人情報。
人目がある場所でそれらを口にすることに
コンシェルジュ側が慎重になっていることも事実です。

そんなこともあり、以前なら
通学するお子さまに向かって
「行ってらっしゃい、●●ちゃん!」
と積極的にお声かけしていましたが
親御さまへの配慮もあり、最近では控えています。

 

お客さまの名前を呼ぶことは
私たちにとっても
名前とお顔を一緒に覚えられるメリット
があったのですけれどね。

時代の流れともに
良しとされるサービスが変化するのは
いたし方ないのですが
個人的に一抹の寂しさを感じています。

 

<では、名前は呼ばないのか?>

いえ、そう言うわけではありません。

例えば先日、ペットをお連れの方には
こんなふうにお声をかけてみました。

『おはようございます。
ハナちゃん♡(わんこのお名前)
お散歩、気を付けていってらっしゃい!

するとご夫婦は、ハナちゃんを腕に抱えて
カウンター前までお越しになり

「この子、人が大好きなんですよ。
撫でてあげてください~~」

と満面の笑顔でおっしゃってくださいました。

お住まいの方にとって
ペットは大切な家族の一員です。

名前を呼んだことを
嬉しく思ってくださったのだと思います。

この時は
わたしも幸せな気持ちになりました。

※↓ハナちゃんに似ています。

 

 

 

 

 

 

 

<まとめ>

挨拶は相手が気持ちよく受け取ってくださって
初めてコミュニケーションとして成立します。

「挨拶に名前を添えるのが良い/悪い」

ということよりも
目の前の方にとってどんな意味があるのか?
に思いをはせたいものですね。

それが心地よいものならば
周囲を見て、安全な環境を守り、創意工夫して
名前をお呼びすればいいと思います。

●●だから良い
●●だからダメ

で、判断できるほど
サービスは短絡的なものではないですからね。
だからこそ、面白いのです。

 

フロントコンシェルジュ白鳥(シラトリ)の独り言 ~挨拶①~

みなさまこんにちは。
レジデンスで働くバーチャルフロントコンシェルジュ白鳥(シラトリ)です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レジデンスで働くフロントコンシェルジュ」
のことを知ってもらいたい!
と息巻いたものの

「どこから話したらいいのかしら?」
と悩みました。

でも、まずは最初ですからね。
接客の基本中の基本である「挨拶」について
お話しましょうか。

 

<1年で2万回以上!?>

私たちほど『挨拶』をする仕事は
他にないのではないかと思います。

カウンターでの待機中はもちろん
書類記入中でもパソコン入力中でも
誰かがカウンター前をお通りになったら

さっと顔を上げて

『おはようございます。』『いってらっしゃいませ』

などと挨拶をしています。

 

わたしね、一度計算してみたんです。
60分間に10名がカウンター前を通ると仮定します。

1時間10回×7時間(1日)×22日間(1か月)×12ヶ月

戸数にもよりますが、私たちはざっと一年間で
2万回近くの挨拶をしてることになるんですよね。

 

<レジデンスならでは!お住まいの方への挨拶とは?>

私たちは居住者様の日常をサポートするので
「いらっしゃいませ」
は使いません。

「おはようございます」「いってらっしゃい」
「おかえりなさい」 「おやすみなさい」

など、自然な言葉ばかりです。
まさに第二の家族と言えるかもしれません。

 

また、お客さまがエントランス(玄関)に向かっているとしても
全ての方に「いってらっしゃいませ」
とは言いません。

メールボックス(郵便受け)を見に行っただけで
すぐにお戻りになるかもしれないからです。

でも、その方が外出される装いなら
(バッグやコート、雨の日であれば傘などを持っている)
お出かけだろうと推測して
「いってらっしゃいませ」とお声をかけます。

 

そして、あえて挨拶をしないこともあります。

例えば

・携帯で通話中の方
※今はワイヤレスイヤホンが多く
わかり難いので、注意が必要です。

・スマホの画面を食い入るように見ている方

・ベビーカーの中でお子様が眠っているとき
※カウンターの近くまできて、その動きや
カバーの位置などから判断します。

などです。

また、同じ方が何度も
カウンター前を行き来することがあります。
‘あ、この方は先ほどもお通りになったな’
と思ったら
二度目、三度目の場合は、目礼だけです。

コンシェルジュが複数名いて
全員が挨拶するとうるさくなりそうな時も
誰かが挨拶をしたら
私は会釈だけにしたりもします。


せっかく心を込めた挨拶でも

「その方にとって邪魔なもの」になってしまっては
意味がないですからね。

 

<まとめ>

私たちにとって
挨拶はお客さまとの大切なコミュニケーションです。
(それが一日に何十回と投げかけるものであっても。)

だからこそ、相手のことをよく見て
投げかけてさしあげたいですね。

相手の立場にたった挨拶言葉は
自然とその人の心の中に入り込むように思います。

まるで無理なく心の扉を開く
軽やかなノックのようですね。

次回はマナーでもよく言われる
挨拶にお名前を添える」について
をお伝えします。

オンライン会議で押さえておくべき「聞き方」「話し方」

コロナ禍でオンライン会議や商談が急増する中、
「対面よりもコミュニケーションが難しい」と
感じている人も増えているようです。

Zoom(ズーム)やClubhouse(クラブハウス)などの
オンライン上のコミュニケーションでは、
その場の雰囲気など、「目」や「耳」以外から
得られる情報が少なくなってしまうため、
よっぽど意識しないと、伝えたいことが十分に
伝わらなくなってしまうからです。

それではオンラインでのコミュニケーションでは、
いったいどんなことに注意したらいいのでしょうか?

今回のコラムでは、聞き手、話し手、
それぞれの観点から、オンラインでの
コミュニケーションのポイントをご紹介します。

【オンラインでの聞き方ポイント】

Zoomなどのオンラインコミュニケーションで、
話し手以外が全員ミュート(消音)にしてしまうと、
聞き手の反応を判断する材料が
極端に少なくなります。

すると、話し手は話す内容以外にも
意識を削がれるため、
パフォーマンスが下がってしまう傾向があります。

また、聞き手の反応が薄いと、
「話題に興味がない」と判断し、
本来共有するはずだった情報を
出さなくなってしまうなど、
聞き手にもマイナスが生じてしまうことも。

ミュートにしていなくても、
オンラインでのコミュニケーションをする際は、
・声だけでなく首を振ってうなずく
・カメラ目線、自然な笑顔で聞く
など、「ちょっとオーバーな位のリアクション」を
心がけることでコミュニケーションの齟齬が
生じにくくなります。

 

【オンラインでの話し方・3つのポイント】

①反応の合図を決める
前述したように、聞き手の反応が薄いと
非常に話しにくいものです。

「理解したら両手で丸を作ってください」など、
ミーティング中にして欲しい反応の合図を
あらかじめ共有し、こまめに聞き手に確認することで、
理解度合いもわかり、自分も話しやすくなります。

 

②カメラ目線でリアクションは大きく
Zoomで話す際、ついカメラではなく
自分が写っている画面を見ていませんか?
しかし、話し手と目があっていないと、
聞き手の集中力はどんどん下がってしまいます。

カメラ部分に付箋などで目印をつけるなど、
視線を逸らさないような工夫をするのもおすすめです。
当然、笑顔とちょっとオーバーなくらいの
ジェスチャーも必須です。

 

③こまめに要点をまとめる
一般的に聞き手の集中力は
70秒が限界と言われており、
一方的に話を聞き続けるのは辛いもの。

・「これから話す内容のポイントは3つです。
1つ目は〜」とこれから話す内容をひとことで予告する

・「ここまでの話をまとめると〜」と
こまめに要点をまとめて振り返るなど、
聞き手が要点を理解しやすくなるような予告、
振り返りを意識しましょう。

 

オンラインも対面も、相手が「人」であることは
変わりありません。

相手の立場になって、
どうやったら「伝わるのか?」を常に意識することで、
あなたの伝える力はどんどんアップしてくことでしょう。

コンパッションを高めるトレーニング

今回は
コンパッションを高めながらも
エッジから滑り落ちないためのトレーニング法
ハリファックス氏が開発したプログラム「G.R.A.C.E.」
についてです。

日本グレース研究所が数日間かけて行うものですが
今回はその中のコアである5つのステップを
平易な言葉に置き換えて紹介します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

G:Gathering attention 
まずは自分に注意を向ける

相手に寄り添うためには、まず自分に寄り添うこと。
そのためにまずは自分を観察します。
そして抱えている多くの情報や
頭の中で勝手に始まっている先読み思考
それに伴うネガティブな感情を一度中断し、手放します。

具体的には
・動きを止める
・姿勢を伸ばし、身体の重みを感じる
・吐く息を意識しながら、深呼吸して力を抜く
です。

深呼吸は簡単なのに、とても効果的です。
医療現場による実践レポートでは
朝の朝礼で数分間のマインドフルネス瞑想を行っているところが
いくつかありました。

そんな時間がとれない、という場合は
パソコンを立ち上げるまでの数秒間や
お客さまの前に出る前の一呼吸でもかまいません。

自分自身に戻り
公平で客観的な立ち位置で
相手や物事と関わるために必要なプロセスです。

 

R:Recalling intention 
なぜこれをしているのか?目的を想い出す

「お客さまの笑顔が見たい」
「この商品をたくさんの人に知ってほしい」
「この会社が好きで入社した」

今、ここにいるのは何のためか?という動機を
再確認しましょう。
そうすると
自分の価値観に沿った行動が自然と生まれてきます。

心と行動が整うと
目の前の相手の誠実さに気が付く余裕が生まれ
敬意を払うことができるようになります。

 

 

A:Attune to self and then other 
自分と相手の波長を合わせる

身体的・感情的・認知的に
自分と相手の同調を図ってみます。

人間の脳には
本来「ミラーニューロン」という働きが
備わっています。
赤ちゃんは、大人の笑顔を見ると笑いますよね。
これは相手の状態を認知し身体的に同調しているのです。

(これが成熟すると
相手の喜びや悲しみを自分のことのように受け止める
「共感」へと育ってゆきます。)

とはいえ
相手と波長を合わせるのは難しいプロセスです。
自分と似ている相手には合わせやすいけれど
タイプが違う相手ではアンテナの感度が下がります。
そこに利害関係や好き嫌いの感情が絡めばなおのこと。

そこで第一歩として
まず自らの身体感覚、感情、思考に意識を向け
自身の感情的な反応を冷静に自覚してみましょう。

「この人の悲しみを自分は負担に感じている」
「実はこの人は苦手」

それによりフラットな立ち位置に戻れます。
自分がフラット(中立)であれば
相手の波長を受け取りやすくなります。

 

 

C:Considering what will serve 
なにが役に立つかをじっくりと考える

中立になることで得られる冷静な洞察力と
想像力を使いながら
今何をすることが良いのか?を熟考します。

その際はこれまでの成功体験や自分が得意なことに固執せず
初心に戻って考えます。

熟考とは逆説になりますが
正解や最適解が見いだせない問題などは
思考では回答が出にくいことが多いのです。
時には、感情や直感を大切にすることも大切です。

 

 

E:Engaging and Ending 
関わり、行動し、完了させる

大切なことは行動することです。
どれだけ相手に共感しても、行動しなければ伝わりません。
中立性の高い正しさ、勇気、優しさをもって
相手に関わります。

そして関わりの都度
相手と信頼関係を深めるよう心がけます。
また必要な時が過ぎたら
相手とのコンパッション的な関わりをしめくくり
潔く手放します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆まとめ

これからは今まで以上に
「人とのつながり」
が大きな価値を持つ世の中になります。

つい最近熱狂的な広がりを見せた音声版SNS「Clubhouse」は
まさに「誰かとつながりたい、話をしたい」
という心の声が爆発した現象なのではないでしょうか。

そしてビジネスで言えば、AIやIoTへの進化が進むほど
「人と上手に繋がりながら、人を手助けする力」
が求められてくることは間違いありません。

これまで個人の資質に頼っていたその力を
サービス&ホスピタリティ産業や
医療、福祉、ウェルネス産業が
企業としてサポートする時代になってゆくといいなと思います。

 

コンパッションに必要な5つ資質 ~エッジステートメント~

今回は「コンパッション」の概要です。

◆エッジステートメント~5つの資質~

第一人者であるハリファックス老師は
著書の中で
コンパッションを発揮するために必要な資質として
この5つを挙げています。

※説明を一部平易な言葉に置き換えました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1、利他性

他者のために役立ちたいという気持ちを自然にもち
無欲で行動に移せること

2、共感

他者の感情を自分のフィルターを通さずに
感じ取ろうとすること

3、誠実

人として正しいと思える指針を持ち
それに一致した言動をとること

4、敬意

相手の立場に関わらずその存在を尊重し
発生した出来事を受け止めること

5、関与

誠意をもって全力で関わり取り組むが
一定の距離を持ち続けること
そして必要な時がきたら手放すこと

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これらの資質は
「エッジステートメント」と呼ばれ
これを高めると
山頂のような素晴らしい景色が見える場所に
立つことができます。

例えば
お客さまのお困りごとを全力で解決したとき
「これからはほかの人ではなく、あなたにお願いしたい」
と言われ、心の底から
‘この仕事を選んでよかった’ と
思ったことがあるのではないでしょうか。

また、お客さまはもちろんのこと
仲間との何気ない会話から
温かさや心の落ちつきを感じたこともあるでしょう。

一方で
この資質の使い方を誤ると
山頂の端(エッジ)滑り落ち
望まない状況が生まれてしまうのです。

 

◆エッジステートメントの影

1、利他性

褒められたいからやる=承認欲求に捉われてしまう
過剰な手助けにより相手を依存させてしまう

2、共感

相手の感情(悲しみや怒り)と一体化しすぎて
自分も傷ついてしまう

3、誠実

理不尽なことや忖度など
正義感に反する行為を目にしたり
関わらなければならないときに苦しむ

4、敬意

自身の価値観と異なる相手を
否定し、貶めたり心の中で嘲笑する

5、関与

過剰な心理的・肉体的負荷により疲弊する
達成感の欠如や無力感に伴う意欲喪失、燃え尽きる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

思い当たることはありませんか?

サービス&ホスピタリティには
誰もが納得する正解や
これで終わりというゴールはありません。

相手を思っての行動だったのにそれを否定されると
山頂がわからなくなったり
崖から突き落とされたような気持ちになります。

 

心が優しい人だからこそ疲れてしまう

頑張ってきた人ほど燃え尽きてしまう

 

サービス&ホスピタリティ産業の影とも言えるでしょう。

ではどうしたらよいのでしょうか?

 

◆コンパッションの影から抜け出すために

「優しい心さえあれば
どんな時でも人に寄り添える」

それは成り立たない世の中になりました。

光が強ければ、影も濃くなるように
高い志=コンパッションを持つ人ほど
崖から滑り落ちることが多いものです。

だからこそ、準備をしましょう。

一つは
崖から落ちても、もう一度山頂を目指そうと思える
しなやかな回復力=レジリエンスを備えましょう。

もう一つは
崖から落ちないようバランスを保つための
トレーニングをしましょう。

次回は、そのトレーニング方法をお伝えします。

コンパッション(Compassion)とは

こんにちは、工藤です。

昨年からずっと気になっていた言葉があります。
それは
「コンパッション(Compassion)」。

その後、ありがたいことに
日本グレース研究会でコンパッションを学ぶ機会があり
そこで第一人者であるジョアン・ハリファックス老師の話を
聴くことができました。

そのセミナーや、老師の著書から学んだことを
私なりにまとめて、数回に分けてシェアしたいと思います。

 

 

 

◆コンパッションとは?

老師は
・人が生まれつき持つ「自分や相手を深く理解し
役に立ちたい」という純粋な思い
・相手と寄り添い「共にいる」力
と言っています。

日本では医療分野を中心に導入されていますが
一般的には、まだ馴染みがないかもしれません。

しかし世界ではすでに注目されており

例えば、スタンフォード大学では
医学部内に専門機関が設立され
コンパッションが脳に与える影響の研究
医療従事者向けに
コンパッションを高めるトレーニング開発
行われています。

またビジネスシーンでも
「VUCA時代のリーダー求められる資質」として
コンパッションへの認知と興味が高まっています。

 

◆コンパッションが必要な人~あなたは大丈夫?~

このコロナ禍の中、感染リスクを厭わず
仕事の現場最前線に立ち続ける人たちがいます。

「自分が休んでしまったら、仕事が立ち行かなくなるのでは?」
「お客さまが困るのではないか?」

その優しさは人としての素晴らしい資質であり
財産だと思います。

でも、そのような人ほど

「他人を優先して、自分を犠牲にしてばかり」
「情熱と責任感で突き進んできたけれど、燃え尽きてしまった」

そんな場面に追い込まれやすいのではないでしょうか。

 

サービス&ホスピタリティ産業は
「感情労働」と言われます。
感謝の言葉をもらうと大きな幸福感を抱きますが
相手の望みが叶わなかったときには
必要以上に自分を責めてしまったり
相手の失望を自分事のように感じて苦しむことがあります。
(いわゆる感情疲労です)

 

〇自分の心を守りながら、人の役に立ちたい
〇「感情疲労」で周囲と衝突したくない
〇燃え尽きて心が折れることがないようにしたい

もしも思い当たるならば
コンパッションという概念に触れていませんか?

コンパッションには
レジリエンス(立ち直る力)が高まる効果がある
と脳科学ではいわれています。
また、その心がけと行動によって
疲労そのものを回避することにつながるかもしれません。

次回
コンパッションに必要な5つの資質について
お伝えします。