日本文化から学べること ~茶懐石に込められた思いやり
2019年07月03日
こんにちは。スワンスタイル工藤静香です。
月に一度、心を整えるために
「ビジネス茶道」 に通っています。
先日は元赤坂の名店「懐石辻留」での茶懐石でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆茶懐石とは?
正式なもてなしである茶事の中で出される食事です。
献立は一汁三菜(お味噌汁、向付、煮物、焼き物)が基本です。
主役は最後の「茶事」であり、食事はそれを引き立てるためのもの。
茶事に足を運んでくださった客人への労いの気持ちと
空腹で濃茶をいただいて胃に負担をかけないようにという
配慮からくるものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私にとっては、初体験の茶懐石。
細かな作法がおぼつかず時に冷や汗をかきましたが
それ以上に
もてなしの心と日本人らしい和の精神を感じた
素晴らしい時間でした。
私が思わずうなったポイントを
ほんの少し紹介します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1、一文字によそわれた白米は、炊き立てを蒸らさずにのせる
茶懐石ではご飯のお代わりを楽しみます。
一杯目は水分をたっぷり含んだみずみずしいものを。
二杯目は表面の水分が飛んだ米本来の味を楽しめるものを。
・・・と、味の移り変わりを感じてもらうためなのだそう。
※この写真は一杯目、蒸気が水滴になっています。
2、お漬物の沢庵は、一番最後にお椀についた米粒をぬぐうようにしていただく
3種類あるお漬物のうち
真っ先に沢庵を口に入れてしまった私は
それを聞いて思わず天を仰ぎましたが
聴けば
その合理性と客人としての礼の尽くし方の両立に
いたく感激しました。
3、食事の終了は、客人が一斉に箸を音を立てて置くことで水屋へ伝える
水屋とは、食事の配膳係のことです。
水屋は、ふすま一枚を隔てた客人の声や気配で
進行具合を察しながら、食事を出しています。
客人全員の食事が終了したら、主客の言葉を合図に
箸を「ことり」と音を立ててお膳に置きます。
(決してたたきつけるような音ではありません。)
これを客人が「阿吽の呼吸」で行うわけです。
一つひとつは小さな音ですが、それが一緒になることで
水屋にしっかり伝わる合図になるのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このように食事のいたるところに
人への思いやりを込められる日本人の心の豊かさ・・・。
本当に素晴らしい!
※辻留女将の所作、佇まいの美しさといったら!
画像掲載の許可をいただいております。
先人たちは
これらのことを自然と行ってきたのですね。
私たち現代の日本人も
知って、体験して
受け継いでいきたいな、と思いました。
▼ビジネス茶道
表千家 水上繭子(宗恩)先生が開催する
ビジネスマンの心の落ち着きと人間力を高めるための茶会です。
月に一度日本橋コレド室町 橋楽亭で開催しています。
カテゴリ:インフォメーション